冷却水(LLCクーラント)は、車のエンジン内部を冷やすもので、車のエンジンを動かすのに必要不可欠な液体の一種です。 今回は知っているようで詳しく知らない冷却水について解説します。
一緒に勉強しましょう!
冷却水(LLC)って何?
冷却水(LLC)とは
LLCはロングライフクーラントの略称で、名前の通り、長期間使用することが可能な液体です。「不凍液」などとも呼ばれていて、その技術は進化し続けています。 この冷却水(LLCクーラント)は、凍結防止と防錆効果があります。
冷却水(LLC)の役割
エンジン内部を循環して冷やし、オーバーヒートを防ぐ。という、重要な役割をしています。
冷却水(LLCクーラント)でエンジンやラジエーターを冷やさないと、エンジンは5~10分でオーバーヒートして車を走らせることができなくなってしまいます。
冷却水(LLC)の点検整備
冷却水(LLC)の交換の目安は?
交換の目安の期間は約2~3年で推奨されています。
また、近年の新しい車には「スーパーLLCクーラント」と呼ばれる、耐用年数7~10年を実現した新型冷却水(LLCクーラント)もあります。
冷却水(LLC)を交換しないでいると?
冷却水(LLCクーラント)の交換しずに使用したままにすると、経年劣化により冷却水(LLCクーラント)が汚れてきます。
汚れた冷却水(LLCクーラント)は、防錆効果が低下し、ラジエーターやエンジン内部の水管を腐食させたり、それにより水漏れやオーバーヒートの原因になったり、冬季には、凍結したり、それによりエンジンに損傷を与えてしまったりと様々なトラブルに繋がります。
冷却水(LLC)が減る?
冷却水(LLCクーラント)は自然蒸発をして、徐々に減っていきます。という情報が別サイトで掲載されているのを目にしますが、全くの偽情報です。
基本的に、冷却水(クーラント)は密封されているので、何もトラブルがない車で、減るというのは考えられません。
冷却水の補充をしたときに、エアーが抜けてその分だけ冷却水(LLCクーラント)が減る。ということが考えられます。
冷却水(LLCクーラント)が減っている。ということは、何らかのトラブルがあり冷却水(LLCクーラント)が漏れているということが考えられます。
冷却水(LLC)関係のトラブル
冷却水(LLC)が減った時の主な原因
原因として主に挙げられる例は、ラジエーターホースからの漏れです。
他にも、
・クーラントリザーブタンクがエンジンの熱で劣化して冷却水(LLCクーラント)が漏れる。
・ラジエーターキャップが劣化して冷却水(LLCクーラント)が漏れる。
・ウォーターポンプが劣化して冷却水(LLCクーラント)が漏れる。
・ヒーターホースが劣化して冷却水(LLCクーラント)が漏れる。
など、様々な原因が考えられます。
ほとんどが、経年劣化による冷却水(LLCクーラント)漏れです。
冷却水(LLC)が減るとどうなる?
何らかの原因で、冷却水(LLCクーラント)漏れが発生した場合、冷却水(LLCクーラント)が不足して、エンジンの温度を調整する機能が
正常に働かなくなり、水温計が上昇してオーバーヒートを起こす危険があります。
オーバーヒートをすると、エンジンが急に止まって車が動かなくなり、事故を起こすなど二次災害の危険性もあります。
冷却水(LLC)漏れの確認方法
※冷却水(LLCクーラント)の確認は必ずエンジンが冷めた状態で行ってください。確認する直前まで車を走行していた場合、エンジンが冷えるまで待ちましょう。
①エンジンルームにある半透明のリザーバータンクと呼ばれる箇所を確認します。リザーバータンクの液面ラインを確認します。リザーバータンクの側面を見ると、FullとLowもしくはMAX MINといったラインが記されています。この2つのラインの間に液面が確認できれば大丈夫です。
②冷却水(LLCクーラント)の色を確認します。通常の冷却水(LLCクーラント)の色は、緑色や赤色、ピンク色など種類によって様々な色がありますが鮮やかな色です。濁っていたら劣化している可能性があります。
自分で確認し、少しでも異変がある場合や、確認しても不安な場合ディーラーや修理工場へ点検に出すことをお勧めします。
もし冷却水(LLC)が減っていたら、、、
応急処置のやり方
リザーバータンクの冷却水(LLCクーラント)がラインより下の場合、すぐに補充が必要です。
通常、冷却水(LLCクーラント)は水で濃度を薄めた状態で入っています。水道水を加えて応急処置をしましょう。一時的な応急処置で使うことを前提で水道水を入れても問題ありません。そのあとすぐに、冷却水(LLCクーラント)の取替えをおすすめします。
ただし、リザーバータンクの冷却水(LLCクーラント)が空っぽのところに水道水を入れるとラジエーターの目詰まりやサビの原因になるので、その場でロードサービスやJAFで修理工場やディーラーへ搬送することをおすすめします。
まとめ
冷却水(LLCクーラント)は、エンジン、ラジエーター、サーモスタット、ウォーターポンプと車の内部のあらゆるところで流れています。
冷却水(LLCクーラント)を劣化したまま使用していると、ラジエーター、サーモスタット、ウォーターポンプに錆や汚れが循環して故障の原因に繋がります。 寒い時期や冬にサーモスタットが故障すると、エンジンに不具合が出ると同時にヒーター(暖房)も効かなくなります。
車の異常にいち早く気づけるように、メーターパネルの部分にチェックランプがついていないか、など日頃から異常がないか確認しましょう!